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大胆にコンタクト

私とアトピーの出会いは、一九八八年にある雑誌の企画でアトピー特集を担当したのがきっかけでした。 取材をとおして多くの熱心なお母さんたちと出会いましたが、なかでも忘れられないのは、息子さんのぜんそくを治すために郊外の一戸建てに引っ越した家族です。
床は当然フローリングで、本棚にはアトピー関連の書籍がずらり。 廊下の隅には何十万もするパワフルな外国製の掃除機が置いてあったりもしました。
ふとんの掃除機がけや食事療法を怠らない真面目なお母さんと、製薬会社にお勤めのお父さん。 家族が協力しあった完璧なほどの取組みなのに、息子さんのアトピーは一向によくなりません。
lgEの数値は一万を超え、首をかしげていたお父さんの姿が印象的でした。 その後、お母さんから一枚のハガキが来ました。
そこには、「教会に通いだしてから、息子のアトピーがよくなっていったんです」と書いてあったのです。 取材に同行した年輩の女性ライターがひとこと「親の束縛から解放されたためよ」。
いま思えば実に適確な言葉ですが、そのときは「そんなものかなあ」としか考えませんでした。 ところが、取材対象にすぎなかったアトピーが、自分の身に降りかかってきたから大あわて。

次男がみるみるアトピーになってしまったのです。 山のように本を読み、さまざまな医療機関に取材していた私ですが、そんな知識や情報が吹っ飛んでしまい、「どないしよう」しか頭にない情けない状態でした。
母乳を与えていたときの私の除去食は、まさに食い意地との闘い。 我慢できずに食べてしまって息子の湿疹が悪化したときは、ひどく落ち込みます。
コツコツと除去食を続け、スキンケアをしたほうがいいのは百も承知ですが、そのころの目標は、なんとか苦労せずに、一発で治る方法はないか、でした。 そんな毎日を過ごしながら、二つの確信を得ました。
「アトピーのストレスは本人も周囲も限りなく大きい」「世のお母さんたちは結構、失敗している」わかっていても、いつも完璧にはできない。 ときには気を抜きたいし、手も抜きたい。
アトピーから逃げたい。 頑張るけれど、失敗もしている。
のんきにかまえていたが、ブツブツは治らないOさん(三二歳)は、九歳を頭に三人の男の子がいるようにはとても見えないヤンママ。 二三歳で長男・Rくんを出産し、二年後、次男のYくんを産む。

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